2017年5月3日

ペルソナ5の翻訳に対する問題提起サイトがなんかすごい


海外版ペルソナ5が発売されてそろそろ1か月、ゲーム自体は海外でも高評価を受けているものの、その翻訳に関しては賛否両論が…



洋ゲーのローカライズには何かと問題がつきもの。特にTESシリーズやFalloutシリーズみたいに膨大な数のテキストがある場合には、どの文字列がどの場面で使われるのか、おそらく翻訳しているほうも把握できなくなり、その結果として誤訳・珍訳が生まれてしまう。結局、掲示板で批判擁護入り乱れての論争になったり、wikiで翻訳の検証ページなんかができたりする。

しかしこのローカライズ問題、海外産のゲームだけではなく、日本語のゲームが海外の言葉に翻訳されたときにも当然起こりうる。今回「この翻訳おかしいんじゃね?」という批判が持ち上がったのはPersona5のコミュニティ。しかもなんと独自ドメインの専用サイトまで出来てしまった。

How Atlus fails fans of a landmark JRPG
http://www.personaproblems.com/

このサイトがまためちゃくちゃ凝っていて、ページの色使いや文字のデザインがゲーム仕様になっている(表示色を変えることも可能)!そもそも翻訳とは何か、良い翻訳とはどういったものかといった説明から、具体的にゲーム中のテキストのどの部分がどう悪いのかといった例示や改善案、さらに予想される擁護派の意見に対する反論まで、きっちりまとめられている。いやあ、すんごい情熱…

たとえば挙げられている例の中でわかりやすいものを紹介すると…
「アルバイトの人?余裕あるんですね、ここ」
「いや、そういう訳じゃ…」
というセリフが
"Are you a part-timer? I'm surprised this place can afford one."
"Uh, that's exactly the case..."
と訳されている。that's exactly the caseは「そういうことなんです」という肯定の意味なので、なぜか意味が逆になっている。末尾の「ない」が省略されているので勘違いしたのだろうか。

さらに
「昭和の揚げパン」
「ジャムパン」
「焼きそばパン」
というアイテム名が英語版ではそれぞれ
"Fried Bread"
"Jam Bread"
"Yakisoba Pan"
となっている。英語でpanといえば普通はフライパンのパンなので、日本語の「パン」の意味にしたければbreadになる(ちなみに日本語の「パン」はラテン語→ポルトガル語が由来らしい)。上の2つはちゃんと訳されているので、固有名詞的に「あえてそうした」のではなく単なるチェック不足だと思われる。Yakisoba Pan!なんか強そう!

こんな感じで具体例が続き、翻訳ミスとかの前にそもそも「意味が通らない」「英語になっていない」と指摘されているものも多い。原文どおり忠実に訳されているように見えても、ネイティブから見ると英語として不自然な言い回しもたくさんあるようだ。う~ん、こりゃ難しい。

ただ、中には「これは翻訳者がこう訳した気持ちもわからんではない…」と思えるものもあるし、冒頭の洋ゲーの例と同じようにテキスト量が半端じゃないので、このぐらいのミスは大目に見たら…と擁護したい気持ちも理解できる。一方で、JRPGというジャンル自体が斜陽とされているときに、思い入れのあるファンたちが「せっかくの良作なのだからブチ壊さないでくれ」と願う気持ちもわかる。

ペルソナ5の個々の翻訳の良し悪しの判定はさておき、ローカライズや翻訳についてのサイト内の諸々の説明は一読の価値がある。特に「翻訳者というのは単にテキストを言語Aから言語Bに変換しているのではなく、そのテキストの中に込められた開発者の"意図"を伝えている」という説明には心から共感する。直訳や逐語訳だと自然な表現にならず違和感があるし、逆にいわゆる「超訳」ばかりだと原文の持つ意図や雰囲気を翻訳者が奪いかねない。このバランスが難しいんだよねえ…

良い翻訳って一体なんだろう

あ、そういえばゲーム中に"kek"(lolから派生したネットスラング。若干皮肉のニュアンスを含んだりする。ほぼ4chanユーザーしか使わない)という語が使われてるってことでも批判されてたけど、もともとの日本語はどういう文章だったんだろう…

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