2021年2月4日

Ivy Generator 使い方メモ


Blender の標準アドオン Ivy Generator の基本的な使い方をメモメモ…



※このページの内容には Blender 2.91.2(Steam版) を使用しています。

簡単に植物のツタを作成できる Ivy Generator。めんどくさい導入の作業も必要なく気軽に試せるのがいいですね。今回、初めて本格的に触ってみたので、学んだことを書きとめておきます。


使い方

  1. アドオンを有効化する
    「編集」>「プリファレンス」>「アドオン」> Add Curve: IvyGen にチェック。サイドバーに Create > Ivy Generator という項目が追加されていれば準備完了。
  2. 作成したい場所に3Dカーソルを移動させる
    3Dカーソルの位置がスタート地点(根元)になります。ツタは基本的に選択したオブジェクトの表面を這うように上に伸びていくのでそのあたりを考慮して位置を決めましょう。カーソルの移動は Shift + S のメニューが便利。
  3. 対象のオブジェクトを選択する
    ツタを絡ませたいオブジェクトを選択します。
  4. 設定を編集し Add New Ivy を押す
    オブジェクトを選択した状態で Add New Ivy ボタンを押すと、新たにツタオブジェクトが生成されます。設定を調整した場合はビューポート左下の Update Ivy ボタンを押して再計算することも可能。

対象のオブジェクトが選択状態から外れてしまうと「決定」したことになってしまい Update Ivy ボタンが押せなくなるので注意しましょう。直後であれば F9 で Update Ivy ボタンを再表示させることも可能ですが、あとから調整しなおしたい場合は一旦ツタを手動で削除して新しく作成しなおすしかないようです。ちょっと不便ですね…

蔓は IVY_Curve、葉は IvyLeaf という名前のオブジェクトになっているので、あとはそれぞれにマテリアルを適用すれば完了です。なお、葉はただの板ポリです。


設定項目

Random Seed: ランダムシード
別の数値にすることで生成パターンが変化します。「設定はこのままでいいけど、見た目が微妙に気に食わない」というときに使いましょう。
Maximum Time: メッシュ生成にかかる計算処理の制限時間(秒)
基本的にはゼロ(=制限なし)でOK。ただし設定によっては処理に膨大な時間がかかる場合もあるので、念のため5~10くらいに設定しておいたほうがいいかも。

Max Ivy Length: ツタの最大の長さ
遠くまでツタを伸ばしたいときはこの値を大きくします。処理時間も増大するので注意。
Ivy Size: ツタの大雑把さ
これは「ツタの大きさ」ではなく「ツタが伸びる方向を決定したり分岐や葉を生成させたりする処理をどのくらいの間隔で行うか」を設定する項目です。値を大きくすると大雑把に、小さくすると高密度のツタになります。この値が小さすぎると処理に時間がかかり場合によってはメモリ不足やフリーズを引き起こすので注意。蔓の太さや葉の大きさを変えたいときはこの項目ではなく Ivy Branch Size や Ivy Leaf Size を変更しましょう。
Max Float Length: オブジェクトから離れた状態のまま伸びる最大の長さ
Max Adhesion Length: オブジェクトに引き寄せられる力が影響する距離

Primary Weight: まっすぐ伸びる力
Random Weight: ランダムな方向に伸びる力
Gravity Weight: 重力方向に伸びる力
Adhesion Weight: オブジェクト方向に伸びる力

Branching Probability: 蔓が分岐する頻度
Ivy Branch Size: 蔓の太さ

Grow Leaves: 葉をつけるかどうか

Ivy Leaf Size: 葉の大きさ
Leaf Probability: 葉がつく頻度

生成されたツタが気に入らない場合、まずはランダムシードを変更してみましょう。シード次第で全然違う形状になったりします。それでもダメならその他の設定を調整。
・狭い範囲でツタが団子状態になる場合 → Ivy Size の値を大きく、Random Weight や Gravity Weight、Branching Probability の値を小さくする
・ツタが伸びずに途中で切れる場合 → Branching Probability や "Length" 関連の値を大きくする


その他


葉の付き方については、設定する項目が Ivy Leaf Size と Leaf Probability の2つしかないので思ったような見た目にならないことが多いです。あらかじめ Grow Leaves のチェックをはずしておき、葉っぱはパーティクルやジオメトリノードで配置したほうがいいかもしれません。パーティクルを利用する場合は蔓をカーブ→メッシュに変換しましょう。
左がパーティクルとして配置した場合の例 右は Ivy Generator にまかせた場合

それから、Ivy Generator は「オブジェクトに沿って上に伸びるツタ」を作成するのには適していますが「垂れ下がるツタ」を表現するのにはあまり向いていないようです。Max Float Length や Gravity Weight の値を大きくすれば一応垂れ下がっている感じにはできますが、納得のいく自然な見た目にするのはかなり難しいと思います(オブジェクトの形状と開始地点にもよるかも)。

…そんなわけで、痒い所に微妙に手が届かない感じのアドオンではありますが、とはいえ複雑な形状でも一瞬でツタを生成してくれるのはやっぱり便利ですね。画面が寂しいときに中景・遠景のアクセントとしてちゃちゃっと配置する、みたいな使い方がいいかもしれません。

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